後継者難により経営者の高齢化が進み、廃業が増加しています。このままでは、日本経済・社会を支える貴重な雇用や技術が失われる可能性があります。ここでは、中小企業の事業承継とM&Aについて、中小企業向け各種ガイドラインを概説するとともに、中小企業・小規模事業者の成長・発展の機会とする事業承継・M&Aを提案します。
■ 中小企業の事業承継を取り巻く現状(経営者の高齢化)

帝国データバンクが実施した調査では、2023年時点における経営者の平均年齢は60.5歳であり、33年連続の上昇で過去最高を更新しました。
右図に示すように。経営者年齢のピークが、2000年から2020年にかけて大きく上昇しています。後継者の不在状況は深刻であり、団塊世代の経営者が事業承継や廃業などにより引退していることが示唆されています。このままでは日本経済・社会を支える貴重な雇用や技術が失われる可能性があります。
■ 中小企業の事業承継(事業承継の類型と手法の多様化)

事業承継は、右表に示すように、親族内承継、従業員承継、社外への引継ぎ(M&A)に分類されます。データバンクの調査によれば、これまで事業承継の手法として最も多かったのは同族承継(親族内承継)でしたが、内部昇格(従業員承継)、M&A(第三者承継)の割合が増加傾向にあります。
■ 事業承継に向けたステップ(事業承継ガイドライン第3版)

事業承継の第一歩は、必要性を認識することからはじまります。次に、企業の経営状況や直面している課題を明確にし、承継前にできるだけ経営課題を解決します。並行して、収益性の向上、業務効率化、新規事業の開拓などの企業価値を高めるように取り組みます。続いて、親族内承継や従業員承継の場合、事業承継計画を策定します。また、社外への承継を検討する場合、M&Aを準備します。最後に、これらに基づいて、実際の事業承継やM&Aを実行することになります。
■ 中小企業のM&A

中小M&Aガイドラインは、後継者が不在の中小企業とM&Aの支援機関を対象としたM&Aに関する指針です。中小M&Aは大企業を対象とするM&Aとは異なり、譲渡し側は、M&A未経験であることがほとんどで、M&Aに関する経験・知見が乏しい状況です。また、対象となる事業が中小企業の経営者個人の信用・人柄その他の属人的要素に大きく影響されます。加えて、M&Aそのものに多額のコストをかけられない傾向にあります。このような実情を踏まえ、後継者不在の中小企業である譲り渡し側の視点から、M&Aに関する一般的な説明にとどまらず、中小M&A独自の特色について加味しています。
■ 中小M&Aガイドライン遵守の宣言
八王子コンサルティングは、中小企業庁M&A支援登録機関です。八王子コンサルティングは、M&A支援機関として、以下のとおり、中小M&Aガイドラインを遵守することを宣言することで、中小企業・小規模事業者の置かれた状況に寄り添い、経営者の理解と納得を得ながら誠実にM&Aを支援させていただきます。