スマートシティやメタバース環境に必要な3D都市モデル、都市の3D地図、3D-GISと呼ばれる技術は、30年以上前から研究されてきました。筆者も、1993年からモービルマッピングシステムによる都市の3次元モデル構築などの研究開発に携わるとともに、総務省の3D-GIS委員会の委員として現在活用されつつある多様な応用分野を議論してきました。
現在、国や自治体が、都市の3Dマップの整備・公開を進めています。PLATEAU(プラトー)は、国土交通省が進める3D都市モデル整備・活用・オープンデータ化のプロジェクトです。だれもが自由に都市のデータを引き出し活用できるようになります。
近年、3D地図制作用計測車両(モービルマッピング)、レーザプロファイラ、ドローン、レーザスキャナの高性能化、低廉化と相まって、国や自治体に眠るオープンデータの活用が組み合わされ、3D都市モデルは、防災/太陽光発電/景観シミュレーションなどの行政分野だけでなく、VR/AR/MR(XR)応用など商用サービス分野の多彩なアプリケーションに拡がっています。具体的には、XRを活用した観光バスツアー、街なかでのウォーキングを促進する健康アプリ、工事車両の交通シミュレーション、エリアマネジメントのデジタル化、ドローンや自動運転車の最適ルート検索、ドローンのフライトシミュレーション、空間認識技術を活用したAR観光ガイド、災害時の避難誘導鄒ミュレーションなどが自治体や民間で開発されています。
新型コロナウィルス感染防止の経験の中で、自らの競争力につながる要素として3D都市モデルを活用することで新たな価値の創出が可能な時代となっています。