インターネットとスマホの進展で、消費者の購買行動は多様化し、いつでもどこでも簡単に商品を購入できるネットショップ(ECサイト)が普及しています。
 ネットショップを開店する方法は、大きく2種類に分けられます。ECモールに出店するか、自社ECサイト(ショッピングカート)を開設するかです。

■ ネットショップの出店方法

 ECモールは、「楽天市場」など、知名度のあるプラットフォームに店舗を出店するタイプです。ECモールの最大のメリットは集客力ですが、月額利用料だけでなく、販売手数料、出品手数料などでかなりのコストがかかります。

(販売手数料:楽天市場8〜12%、Amazon8〜15%、Yahooショッピング5.6%

 初期費用:楽天市場60,000円、Amazon無料、Yahooショッピング無料)

 ECモールに出店を考えている事業者は、「楽天出店案内」や「Yahooショッピング案内」などで事前に月額費用を試算できます。また、商品企画、仕入れなどのフロント業務や、受注処理、在庫管理、出荷、顧客対応などのバックエンド業務において、店舗事業者側は確認・受諾の判断だけで、実際の手続はECモール側が代行してくれます。ただし、店舗事業者は、仕入れ、決済費用、配送費、補助システム等利用費、人件費などが膨らむ傾向にあり、粗利が出ているか常にモニタし、問題があれば費用構造を見直す必要があります。

ネットショップ

 一方、自社HPにショッピング機能をつけるショッピングカートは、デザインや機能面など、ショッピング運営の自由度が高いことが特長です。自社のブランドイメージを高め、工夫することでファンやリピーターを増やすことが可能でです。

 ショッピングカートの構築方法には、ASP型やオープンソース型などがあります。

ASP型は、運営サービス側からサーバーを借りて手軽に運営することができます。オープンソース型では、インターネットに公開された無料のソフトウェアをカスタマイズしながら構築することになります。このため、セキュリティの脆弱性について事前に知識を得る必要があります。

■ まとめ

創業期はECモールの集客力を活用し、商品やブランドが認知されるようになれば、ホームページと組み合わせたショッピングモールに移行する戦略が一般的です。また、競合が多い商材を扱う場合は、買い手が多く訪れるECモールが効果的であり、、ユニークな商材の場合は、自社ECサイトでブランディングを行い、リピーターや優良顧客増やしていくとよいでしょう。さらに、時間軸で考えると、短期的に売上を求めるか、長期的に認知度を高め、高い利益を獲得するかの選択もあります。

 ECモールかショッピングカートか、それぞれのメリットとデメリットを理解し、目指す事業の姿や方向を考えじっくり戦略を練りましょう。